mutalk 届いたのでレビューとか

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届いてからだいぶだってしまった…

mutalkとは

「mutalk」は、自分の声を周りに聞こえにくくし、同時に周囲の騒音がマイクに入りづらくする、防音Bluetoothマイクです。

公式サイトにあるように周りからの音や自分自身の音声を抑制するデバイスです。

夜間のおしゃべり等々周りを気にする機会は多々あると思います。
そんな時でも会話をできる/しやすくするデバイスなので、(ハリトラを販売しているメーカーというのもあって)それなりにVRChatユーザーは気になり予約していたみたいです

発送が遅れたりしたのもありましたが、ようやく届きました。

ただどうやら音質に満足しない人がTLで多く見受けられました。

確かに今一般的な通話の音質と比べると劣る部分が多いですが、発表時点で私はスペック資料からそこまで期待していませんでした。
故に、私はそこまでひどいものか?と思ってしまったり

そこら辺の解説とか実際の音声とかも合わせてレビューします

mutalkの仕様

公式ページ及び公式マニュアルから一部引用します

動作時間8時間連続利用可能
充電方式USB Type-C
充電時間約1時間
マイク入力感度-51 dB±3.5 dB
マイク周波数特性100~10,000 Hz
通信方式Bluetooth 5.1
対応プロファイルHSP, HFP (HD Voice)
イヤフォンジャック3.5mm ステレオミニジャック

マイク

100 Hz ~ 10,000 Hzの特性とあります

数字で言われてもわかんねーよってなったのでYouTubeに上がっていたよさげな動画をどうぞ。

(低音域は特に不快に感じる場合があるのでボリュームを調整してから聞くのをおすすめします)

この動画で扱われている範囲である20 Hzから20,000 Hzは人間が聞き取れる音と言われている範囲です。
(人によっては加齢で聞こえなくなっていたり、もっと高い音が聞こえる人もいます)

このことからスペック上、重低音や高音が拾えないマイクである事がわかります

これは、結構マイクによる声の印象が変わることもあるので考慮が必要です。
(よくあるのがHTC VIVEからValve indexに変えたら低音が拾いやすくなって、別人のように聞こえたというのがあります)

ついでなので持っているイヤホン/ヘッドセット/HMDをあげると以下の通り

周波数特性
Logicool G433100 Hz ~ 10,000 HzREQ
Soundcore Liberty Air記載なし
Valve index20 Hz ~ 24,000 Hz (PC工房より)
Meta Quest 2記載なし
iPhone SE (2世代)記載なし

書いてる途中で気づきましたが他のメーカもマイクに関しては大して書いてないですね…
あとやはりValve indexの性能は高い

通信方式/プロファイル

Bluetooth 5.1 / HSP, HFP (HD Voice)

Bluetoothはバージョンが上がるほど通信時の消費電力の改善や干渉を抑える等改善がされています。

プロファイルはそのデバイスが行える通信の定義(プロトコル)を指しています。
通信するデバイス両方が同じプロファイルに対応している必要があります。

HSPはヘッドセットプロファイル、HFPはハンズフリープロファイルの略で、音声通話用プロファイルです。mutalk以外でもイヤホン等多くの音声デバイスで採用されています。

他にも身近なものであればA2DP(ステレオ音声ストリーミング)、HOGP(キーボード/マウス)などでしょうか。

ただ、このHSP/HFPは現代に合わないプロファイルになりつつあると思います。

まずHFPは音声通話と言いましたが、8kHzか16kHz(HD Voice)までの音質です。

よくわからないですね、次の動画をどうぞ

明らかに音質が悪くなった感じると思います。

そもそもBluetoothは大量のデータ通信には向きません(最大3Mbps程度)
その中でいかに本来の状態(≓高音質)で通信できるかによって体感に直結します。
そこでデータを圧縮したり不要な部分を切り取る方法をよく使います。

また、音声、画像、動画の多くでは前後や周りのデータが似ていたり、使っていないところが多くあります。
なので、データを圧縮する事でそのまま送るより多くのデータが送れる=高音質な音楽が聞き取れるというわけです。
A2DPはこの手法を使い、圧縮や時に削減を行い転送します。
プロトコルとしては圧縮手法(コーディック)を複数用意できるので必須のSBC以外にAAC、aptX、LDACなどがあります。
よくBluetoothイヤホンのパッケージに書いてあるやつですね。

それに対してHSP/HFPは音声を圧縮せず削減するだけです。
削減するだけなので送信元のデバイスに対する負担が少ないですが、基本的に音質を犠牲にします。

また、A2DPは圧縮する関係で非同期に通信するためリアルタイムな通信を必要とする音声通話には基本的に使いません。

合わせてBluetoothデバイスは基本的に一つのプロファイルを使うので音楽再生でA2DPを使用していても、通話が始まるとHFPに切り替わるという問題があります。
音楽の音は良いのに通話はなんとも言えない音になる、これがマイクつきのBluetoothデバイスです

これをどうにかするとなるマイク入力をやめるか、Bluetoothをやめるか、Bluetoothプロファイルを自前で開発してドングルも合わせる(送受信でプロファイル対応が必須なので)とかになるが、どれも非現実的(特にmutalkは手軽に使えるのを推してるように見えるので)
逆にユーザーを限定すれば(たとえばPCユーザーのみとすればUSBドングル等を使える可能性があるので)専用ドングルやWiFiなど他の通信手段も選べると考えられます。

イヤホンジャック

仕様にあるように3.5mmのイヤホンジャックがあります。

これはスマホなど基本的に出力デバイスを指定できないデバイスの場合に出力先としてイヤホン等を接続するための物です。

最初私はmutalk本体のマイクの出力先としても使えると思っていました。
(ちゃんと公式サイトの説明見てないだけ)

開封

ようやく開封

シンプルなデザイン

外箱のがちょっと普通じゃ無いのはトラップです

蓋を開けると保証書が出てきます
公式マニュアルによると公式Webサイトで購入した場合は特に記入はされないとのこと
他の店舗で購入した場合は普通のデバイス同様領収書等を保管して提示してくれとあります

中身はこんな感じ

USBケーブル、ヘッドバンド、延長バンド、保証書、本体です
どうやら保証書に印刷されているオンラインマニュアルのQRコードが間違えていたようで到着してすぐに開けた人は混乱していました(今は直ってるのかな?)

本体先端の小さい穴は空気の出入りするところ

本体下部に電源ボタンとUSBコネクタ、LED、イヤホンジャックがあります

口側はシリコンのマウスパッドと防湿スポンジがあります。

開封してすぐは新品特有の匂いがきついのでマウスパッドとスポンジは水洗いをした方が良いです

またスポンジは切り抜きでは無く接着なので熱湯も避けた方がよさげです

使ってみて

いくつか録音してみました(音量にご注意ください)

初めて使ったときの音声です。
空気が多くでる音や口呼吸により音割れがひどいです。
(最後は意図的に出してますね)

2回目
途中空気を口から出すとそれが風切り音として録音されています。

参考としてBluetoothイヤフォンのSoundcore Liberty Airで録音しています。
なんやかんや言っていますが、録音の都合上HSP, HFPとして動作させています。
比較的クリアに聞こえます。(が、A2DPの方が音質良いので体感よくないです)

参考としてG433にAG03を繋いで録音した音声です。
(とても音が小さくて申し訳ないのですが)一番はっきりしている音です。

物は試しにG433のマイクをmutalkのマウスパッドの内側に挟み込んでみました。
(口の前に置くと風切り音で音割れ不可避なので)
個人的にはありなのですが、本末転倒な使い方をしているのは否めません。

最初から思ったのが結構呼吸が大変なんですよね。
口呼吸すると音が入るし、鼻呼吸は大変だし…

途中から録音したiPhone SE(2世代)のボイスメモです。
30cmぐらいの距離でこれなので会話であれば比較的音量はだいぶ抑えられる感じはありますね。

フォニイを歌ってみました(うろ覚え)(音源はありません)

そしてiPhone SE(2世代)の音声

マイク音声からわかるように結構声量がでてます。iPhoneの音声からもかなり聞こえてきますね
カラオケをやる想定なら吸音材なども考えた方がよさげ感


 

使ってみての感想ですが、音質は元々の条件が悪いのでまぁそうだよねぐらいでしょうか。
もちろんよくなって欲しいですが、じゃぁ技術的にどうすべきなのか?と思うとなんとも言えない。

遮音デバイスとしては、会話レベルなら問題無いですが、カラオケとなると足りないかな
ただ、これを免罪符としてカラオケをしやすくなった感じはあります。(実際喉潰れるまでやってたし)

私としてはこれは商品として販売されていることに意味があるかなと思っています。
というのも今まででてきた同様の物は自作かクラファンぐらいだったかと思います。(あったらごめん)
量産されて、知名度のある企業により販売されているのは大きいと思います。

もちろんこれが到着してもっと良い物を作ったぞと自作のデバイスを出した人もいるように、これからもっと改善されていけばなとは思いますが。

あと、もうちょっとしっかり検証したいところなんですが、時間が無いしとてもめんどくさいのでごめん

参考

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